道の草を食う

九州の上らへんから、ぼそぼそと。

リズと青い鳥

余談

 

昨日大学で勉強していて、夕方にふとコンビニへ出かけた間に扉びロックがかかってしまった。いつもなら学生証で開くのだけれど、その日に限って家に忘れてきていて、なお悪いことに原付のヘルメットは教室の中に置きっぱなしだった。

とりあえず勉強道具もすべて教室の中なので、あきらめてバイクを押しながら家に帰って眠りについた。

今日朝起きたときにはすっかりそのことを忘れていて、ちょっと憂鬱になった。なにせ、うちの家は長い坂道の下なのである。諦めて坂道を原付を押してあがっていると、ずいぶんと先に追い抜いたカブのおじさんが先で待っていた。車体の横や前、そして後ろには大きなかごをのせていていろんな荷物がぎゅうぎゅうと押し込められている。

「故障?」

と聞かれたので、ヘルメットを忘れたんですと答えたら、さっきからパトカーをいくつか見かけるから気をつけるように、と言った。

50代くらいだろうか。積み込まれている荷物はよく見ると修理道具のようにも見えるし、なにかの仕事道具のようにも見える。よく走っている農家のおじさんとは少し出で立ちが違う。

「もし故障なら、いくつか道具あるから直せるかと思って」

なるほど。僕もカブなので、いろいろ同じなのかもしれない。
お礼を言って分かれたけれど、結局誰だったのかは分からずじまいだった。

 

今日から、一日2000字以上を目標に文章を書いて行きたいと思う。内容はとくに決まっていない。ちょっとした練習のようなものである。

 

 

リズと青い小鳥

 

<第二週目の特典>

 

 

そう、今日はこのことについて書こうと思っていた。
見に行ったのは3日前。一年生以来の長い付き合いの友達があまりにもお勧めするので、二回目の鑑賞についていった。

 

福岡でやっているのは博多だけだったので、久しぶりに都会の方に出た。いつもは田舎のキャンパスと都心から少し外れたキャンパスを行き来するだけの日々なので、あんなにも服装に気合いの入った人たちがたくさん居る場所を見ると、少々気後れする。

映画を見るのも、かなり久しぶりだった。
前に映画館で映画を見たのは確か、この世界の片隅にだったので、おそらく1年以上映画館で見ていない。映画が嫌いというわけではないけれど、どうも、人がたくさんいるところに出て行くのには少し気合いがいる。

 

原作となった「響け!ユーフォニアム」は、知ってはいたが見たことはなかった。

実家の近くである宇治が舞台だというから一度見てみようとは思っていたし、そもそも京アニという時点で興味は持っていたけれど、2期と劇場版まであるのを見ると、なんだか見るのに時間がかかりそうでいつかまたにしようと思っていたのだ。

リズと青い小鳥を見ることになってから必死で一期を見た。
次の日に自主ゼミの発表があったので、監獄の誕生を読みながら、交互に一期を見た。なかなか不思議な心持ちだった。

 

リズと青い小鳥。

一言でいえば、本当に丁寧な作品だった。いろんな感動があったけれど、僕の中では、こんなささやかなテーマ一つで映画が成り立ってしまうのだということが一番感慨深かった。

舞台はほとんどずっと学校の中で、転換もあまりなくて台詞も少ない。
ちょっとした仕草の連続で場面がずっとつながれていく。

その一つ一つが、とても丁寧だった。
画面も、音楽も美しいけれど、やはり芝居の細やかさを僕は押したい。ちょっとした視線の変化、足の動き、手、指先。そうしたいつもなら見逃してしまうくらいに細やかなそうした動作が、あらゆる場面を彩っている。それを見るだけでも、十分に価値のある映画だと思う。

 

いろんな、本当にいろんな考察が可能なのだけれど、少しぼーっとして見ていた自分にはおそらくその資格はない。

ただ、最後の最後、どちらがリズでどちらが小鳥だったのだろう、とそれだけは少し考えた。

アニメの頃からずっと見せられてきた二人の密接な関係性。けれど、映画の中でのそれは少しずつすれ違いを見せて行き、最後にはあるはっきりとした断絶がみえる。二人はきっとこれからもすれ違い続けることをどこかで悟っているし、それでも足音が重なることは時折あるのかもしれない。けれどそれはどこか悲しいし、どこか美しい。

先走って結論を言おう。

リズはきっと監督であり、脚本家であり、そして視聴者だったのだと思う。
二人をずっと鳥かごの中に閉じ込めて大切に眺めておきたかったのは、僕たち自身なのだ。

映画を見終わった今、羽ばたいていく彼女たちの姿の美しさを、痛々しさを、後ろから眺める権利を僕たちは手に入れたのかもしれない。

 

 

とても感想が難しい映画だった。
そもそも言葉の少ないこの映画を、言葉を尽くして説明しようとすること自体が無謀なのかもしれない。